ドリームの日記

社会の荒波に負けた。

屍鬼(二)を読んだ

二巻を読みました。

一巻は「おいおい人が死にすぎだろ・・・もしや伝染病?」「村がパニックになるから、対処方法がわかるまで黙っておこうな!3人の秘密な!」って言って、医師の尾崎先生、副住職の静信さん、役場勤務の石田さんがそれぞれ謎の死の原因究明を目指していました。

 

二巻では一巻よりもめちゃくちゃハイペースで人が死にます。「ああ、またか」みたいに思ってしまうし、尾崎先生も「また例のやつか・・・やれやれ」みたいな感じで対応することがあります。おい医者こら。

 

尾崎先生は医者なのに治せないのがとてもストレスになって自分に腹が立っていて、でも田舎の人間は「まあ風邪だろ。寝てりゃ治るわ!」みたいな感じで病院に来ないし、「お前病気だから明日も絶対病院来いよ」って言っても「やっぱり休みの日に悪いから行~かない」とかやりだすし、それで次の日に死ぬし、まあそりゃ切れるわな、と思った。わかってることは全血輸血がなんとなく効果があるらしい・・・ということだけ。

 

静信さんは、葬式の際に(寺の人間なので大体の葬式に行く)遺族に話を聞いて、病気がどこから移っているのか確かめようとします。そしたら、死んだ人の中で村の外で働いていた人だけは、何故か死ぬ2日前くらいに仕事をやめていた。ちなみにこの病気(?)は発症して3日くらいで死ぬので、2日前って言ったら、普通に動けなくなってるくらい。静信さんは「おやおや~~?なんぞ」ってなってもっと調べてみる。そしたら、村の人間が20人くらい引っ越してることがわかった。しかも、夜逃げみたいな感じで。そんでもって、引っ越した人たちは発症していたと思われる。

 

静信さんは尾崎先生に連絡して、このことを伝えるんだけど「てめえ何関係ないこと調べてやがる!くそ!時間を無駄にしやがって!」とどちゃくそ怒られて帰った。そして沙子ちゃん(13)に慰めてもらう。落ち込むたびに13歳の女の子に慰めてもらっているんです。住職こら。

 

静信さんと沙子ちゃんの会話って、ほとんどが「静信さんってこう考えているんでしょう。だからこうなってこういう気持ちなんでしょう」っていう沙子ちゃんの分析で、静信さんはひたすらに「そうだね」「そうかもしれない」「自分でもわかっていなかった。きっとそうだったんだ」って言ってる。自分を見失っているにもほどがある。自分探しの旅に出たほうがいい。

 

そして二巻では夏野くん(屍鬼の登場人物、若い世代代表)の仲良しで大好きな徹ちゃんが死んでしまいます。アニメ版だと、序盤で死んだJK恵ちゃんが徹ちゃんを襲うんだけど、そこがめちゃくちゃ怖いんだよね。ちょっと期待していたんだけど、小説だとあっさり死にました。まあ、まだ吸血鬼だと判明してないんで襲うシーンはそりゃないか。あっさり死んでしまった分、夏野くんが「は?なんで?」って思ってるのに対して「そうだよね、なんでこんないきなり・・・」って共感できました。

 

共感できたと言えば、病院で尾崎先生と看護師さんたちがどんな病気なのか話し合うんだけど(看護師さんたちはさすがにおかしいと気付いたので、事情を話した)専門用語がバンバン出てくるんですよ。その会議の中に1人だけ医療知識のない事務員さんがいて、その人が「?」ってなる度にわたしも「???」ってなってた。その事務員さんに看護師さんたちがいろいろ説明してくれるので、事務員さんと一緒に「なるほどー」と言ったよ。

 

こうやって専門的な話をする場に、素人を1人配置することで、会話の中で自然と説明させられるのうまいなと思った。これで登場人物みんな全てを理解していて、心の声として「●●・・・そう、それは△△を利用した治療法のこと」みたいに語りだしたらキモいもんね。

 

ちなみに夏野くんは、吸血鬼かゾンビがいるな。と気付きます。死んだはずの恵ちゃんにストーキングされているからです。恵ちゃんは生前夏野くんのことが好きで、よく家の前でこっそり夏野くんの部屋を観察していて、夏野くんはそれがとても嫌だった。恵ちゃんが死んでようやくカーテン開けられるわぁってなってたのに、なぜかまだ窓の外に恵ちゃんの気配がある。そんでなんやかんやあって、恵ちゃんか蘇ったことを確信しました。

 

夏野くんは尾崎先生に、恵ちゃんは本当に死んでいたのか、仮死状態から生き返ることはあるのか?生き返ったなら普通に出てくるよね、だってこの村土葬だし。って聞きに行きます。尾崎先生は「バーローwそんな誤診するわけないwww」って爆笑してました。笑うところちゃうぞ。でも、夏野くんの真剣な顔を見て、吸血鬼・・・?ってなるんです。死んだ人には必ず2つの小さな穴のような傷があったので。

 

ってところで二巻終わりました~~~~!!!

吸血鬼だってわからないで読んでみたかったですね。

でもここら辺からアニメの記憶が曖昧なので(なぜならアニメで怖いのはここらまでなので)純粋に小説を楽しめるかもしらん~~!

三巻も楽しみ。

 

 

屍鬼(一)を読んだ

小野不由美さんの屍鬼(一)を読みました。

もともとはアニメ版を全部見ていたので、

ええ~原作小野不由美さんだったの!?!?!?ってなった。

小野不由美さんは映画化された「残穢」の原作者。

ホラーとか推理小説とか書いてる。わたしは小野さんのホラーが好き。

 

アニメ版はみんな顎がとがっているビジュアル系だし髪の毛の色も

普通に青とか緑とかいるし主人公は紫なんだよ。おかしいだろ。

 

話としては、隔絶された村に引っ越してきた風変わりな一家が

実は吸血鬼で(この話の中では屍鬼と名付けられた)

村の人たちがどんどん餌食になるんだけど、アニメ版では

なぜか最終的にバトルロワイアル化して屍鬼と肉弾戦の末勝つんだよね。

 

3話くらいまでは、みんな顎とがってて目がキラキラしてるけど

話はやっぱりこわ~~~い!と思って見てたのに、

10話くらいになると、なんかもうわからなくなってた。

だから小野不由美さん原作って聞いてびっくりしました。

原作とはいろいろ変えたお話なのかもね。

 

話の中に出てくる村は、卒塔婆とか棺を主につくっていて

いまだに土葬をしている。それが当たり前の感覚で

荼毘にするのは可哀想とすら思うらしい。

 

視点はころころ変わって、多いのは村唯一の病院の医師である

尾崎先生と、お寺の副住職の静信さん。

あとは都会から引っ越してきて村が大嫌いな高校生の

夏野くん。(アニメ版では夏野くんが主人公)

 

読んでたら、いきなり視点が他の人に変わってたりするけど

全然混乱しないで読めるので小野不由美さんはすごい。

 

一巻では引っ越してきた人たちが吸血鬼ってことはまだ判明しなくて

「貧血にしか思えないのに何か人がめっちゃ死ぬんだけど・・・?」

「家族全員順番に死んだりしてるし、もしや伝染病じゃね???」

ってところで終わってる。

 

アニメ版だとさらっと流してたけど、小説だと医者の尾崎先生が

「娘の様子がおかしいから診てくれ」って言われて診察し、

「ただの貧血だから心配ないよ」って言って家族も安心してたのに

3日後にその子が死んじゃったところとか普通にズシンときた。

しかも死んだの高校生の女の子だし。恵ちゃん。

(恵ちゃんはアニメ版だと後々すごい怖いシーンを生み出してくれる)

 

一番最高!と思ったところは、実の兄と息子が死んでしまったおばあちゃんが

お通夜ですっかり意気消沈してしまっているのを見て、静信さんが

「泣き止まなくては、早く。――泣く子のところに鬼が来るぞ」

って思ったところ。思うだけじゃなくて言ってやれよ。

案の定このおばあちゃんもすぐに死んでしまいました。

 

ちなみにこの静信さんは、大学生の頃に 何も辛いことはなかったし

死にたいとも思ってなかったけど、ふと自殺がしてみたくなって

お風呂で手首切って病院に運ばれたという中々ぶっ飛んだ人です。

寺の跡取りが自殺未遂したって噂はすぐに村に広まった。

 

あと、静信さんは件の引っ越してきた一家の娘、沙子ちゃん13歳と

仲良くなります。伝染病を疑って奔走する尾崎先生と静信さんですが

静信さんが元凶と仲良しこよししてるっていうね。

 

二巻でどうなるのか楽しみです。

死んでしまった高校生の女の子、恵ちゃんの見せ場があるといいな。

 

 おわり。