ドリームの日記

社会の荒波に負けた。

屍鬼(三)を読んだ

小野不由美さんの屍鬼の続きを読みました。

 

ここらへんから夏野くんのお父さんがだんだんポンコツになっていきます。

最初のうちは村人ともちゃんと仲良くやって、夏野くんの気持ちは少し理解してあげられてないなと思ってはいたものの、ユーモアのある普通(よりたぶん少しかっこいい)お父さんだったのに。

夏野くんが屍鬼の存在に気付いて警戒していたのに、お父さんがあっさり家にいれてしまい挙句の果てに夏野くんが屍鬼、しかも仲良しだったお友達の徹ちゃんに噛まれてしまうという。

 

吸血鬼がよく言われている「招かれないと家に入れない」っていうのが屍鬼にも適用されていて、お父さんが家に入れちゃうんですよね。しらん奴を息子の許可なしに息子の部屋に入れるんじゃねえ。

お父さんは伝染病だと思っていて、その初期症状とかもしっかり知っている。なのに全くそれと同じ夏野くんの症状を見ても(少し具合が悪いだけだ・・・)とか逃避して放置する。それで死んだ人を何人も見てるのに。ポンコツか。

 

夏野くんのすごいところは、お父さんが「知らん女の子来たからお前の部屋に入れたよ」って言っただけで、招いたら自由に家に入れるようになる というのに気付いたこと。一緒に屍鬼を倒そう!って言ってる昭くんにすぐに電話で忠告します。なぜポンコツお父さんからこんなに鋭い子どもが生まれたのか。

 

アニメだとお父さんは小学生の女の子にブチ切れたり、まあまあひどい描写だったので、余計に悪く思えてるだけかもしれないけど。

 

あと三巻からは屍鬼側の視点も入り始めるので、それもおもしろい。

家族を進んで屍鬼にしようとする人もいるし、家族は襲いたくないって人に分かれる。すぐに人を襲える人もいるし、自分では襲えなくて血だけ分けてもらっている人もいる。屍鬼になっちゃったら、どうしようねえ。と思う。

恵ちゃんが「生きてた方がマシ」ってなるところは好きだなあ。

 

あと、村がおかしいって気付いてる人ほど(伝染病だと思ってる人も、屍鬼だと気付いてる人も)自分たちには災厄が降りかからないって思っていておもしろい。

何人もの登場人物が「自分の周りは避けてくれるものだと妄信していた」みたいなこと言い出す。でも実際そうなるんだろうな。

 

屍鬼の仕業ってことはわかった。でも何のためにやってるのかわからん!って感じで三巻は終わりました。四巻も楽しみ。

 

 

 

ちなみに静信さんは仲良しの沙子ちゃんが元凶って気付いたのにほっといてます。気付いてからも会ってるし「君が屍鬼だね」とか言うのに。せめて動機を聞くくらいしろや。ほっといてるくせに、武藤先生と「奴らは何のためにこんなことを・・・?」とかやってます。あんたが本人に聞けば済む話や。