ドリームの日記

社会の荒波に負けた。

作者不詳 ミステリ作家の読む本(下)を読んだ

三津田信三さんの「作者不詳 ミステリ作家の読む本(下)」を読みました。

全部で7作の短編が収録されている迷宮草子。上巻では第4話まで進みました。

 

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下巻最初の話は「朱雀の化け物」。

最高です。迷宮草子の中で一番好きな話。

よくわからない男が、古いお堂かなんかでノートを見つけて読んでみたらとんでもない話が書いてあった。

ノートの中身は、1人のいじめられっ子がクラスメイト数人とコテージ(だった気がする)に泊まりに行くんだけど、そこで全員何者かに殺されるって内容。

境遇とかアリバイ的なもので考えると犯人は絶対にいじめられっ子の女の子なんだけど、ノートの最後には、その女の子も死体で見付かったって書かれている。

じゃあこのノートを書いたのは誰? 犯人は誰? 全員死んでいるのに! という話。

ちゃんと読み込めばわかるかもしれない。わたしはまったくわからなかった。

 

ちなみに、これを読んで遭遇する怪異は「朱雀の化け物に襲われる」。

まじでそのまんまかい。ていうか小説の内容自体には関係ないやんけ。タイトルは比喩だわ。

突っ込みは追いつかないけど、化け物が追ってきてそれから逃げるシーンはハラハラドキドキしておもしろいよ。学校に逃げ込むんだけど、(そ、そんなホラーの定番怖いスポットに!!!!)と感動してしまった。

あとなぜかまた霧が出てくる。1話目の怪異の霧が。

 

これも飛鳥さんが解くんだけど、もう、なるほどおおおおおおおおって感じです。

そうだね、言われてみるとその通りだね!!!!!!!!! ってなる。

わたしはこの話が一番好きだーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!

いじめはダメ、ぜったい。

 

6話目は「時計塔の謎」。屋敷+時計塔とか舞台として100点満点かよ。

これは、主人公の男の子が初恋の女の子の家(屋敷)に遊びに行ったら、その日に女の子が時計塔から転落して死ぬ。いったい何が!? という話。

自殺なわけがない。でも他殺の形跡もない。何かどうなってるの~~~ってやつ。

 

これの怪異は忘れた。朱雀の化け物がまたなぜが出てきた気もする。朱雀の化け物、謎を解いたのに出たがりなのか、ちょいちょい出てくる。

まぁ記憶曖昧なので嘘かも!

 

真相は、もう、お前ぜったい幸せになれないからな!!!!!!!!! ってむかつく感じ。わたしは色恋が絡むと途端にむかついてくるんだよな。

恋愛関係で迷惑かけるやつを文章にして冷静に見るとどう考えても腹立つでしょ。

この話では犯人だけじゃなくて、もう1人恋愛沙汰でうざくしてくるやついたしな。ていうか、そっちのがうざかったしな。ばーーーーーーか!!!!!

 

 最終話である7話目は「首の館」。

これは、1~6話を書いた人たちが、島で合宿をする というのを、もう1人の参加者が記録する話。

迷宮草子の最後に、おまけ的な感じで合宿の様子を残そうぜ! という感じだった気がする。

 

全員がハンドルネームで参加していて、1~6話のペンネームはまた別の名前なので、みんな誰がどの話を書いたのかわかっていない。もちろんみんな初対面。ネットでの集まりだからね。

 

で、まぁ当然人が死ぬ。

島だからね。隔絶された島に行ったらそれはもう人が死ぬということです。もちろん連続殺人になるということです。隔絶された島なんだから。

 

これも飛鳥さんが謎を解いてくれるわけなんですけどね。

なぜか終わらない怪異。ちなみにこのときには、なんかもう化け物たちが家の周りをうろついていて部屋に入ってこようとしているんですよ。物理。

 

飛鳥さんのおばあちゃんが察しがよすぎて御札をくれていたので、部屋の四隅に貼っていたのが、1枚ずつ剥がれてきて焦りながら謎解きをする感じだった。

飛鳥さんはあんまり焦ってなかったけど、三津田さんと読んでいるわたしは焦っていた。典型的なのに弱いもので・・・

 

それで最終的な結末なんだけど、これは賛否両論あると思う。

わたしは「またそれかーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーい!!!!!!!!!!!!!!!!!!」と思った。

作家シリーズ 全部それ!!!!! 全部三津田さんが悪い!!!!

 

でもね、さらにオチ? 的なものがありまして。

そこはなんかもう豪腕! そんなんありなんかい! と思ったけど、わたしは割りと好きよ。

上下巻あってボリュームたっぷり楽しめるし、迷宮草子がなんなのかも気になるし、怪異も怖いし とてもおもしろいのでぜひ読んでみてほしい。

おわり。