ドリームの日記

社会の荒波に負けた。

「屍鬼」ポンコツ選手権

小野不由美さんの「屍鬼」を読みました。漫画やアニメにもなっているので有名ですね。わたしは最初アニメから入ったのですが、「えええ目!!!」「そして髪の色!!!!」「なぜホラーアニメでその刺さりそうな顎!?」「えっえっ耳・・・!?」といろいろ混乱しました。

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まじでどうした

 

ビジュアルで混乱させてくるアニメですが、三話くらいまでは本当に怖いです。屍鬼となった恵ちゃんがニュルンって部屋入ってくるところが最高。小説ではそのシーンないので、アニメオリジナルの良いところでした。

そもそものストーリーとしては、隔絶された村、それも未だに土葬という最高の環境に「屍鬼」という吸血鬼一家が引越してくるんですね。で、だんだん村人たちが襲われて死んで屍鬼になっていくっていう。死んでしばらくして蘇るので(そのまま死ぬ人のほうが多い。まれに蘇る)土葬の村はめちゃくちゃ都合が良かった。血を抜き取られてすぐ死ぬわけではなく、何日かかけて少しずつ血を飲まれて死ぬんだけど、ありえない人数が死んでいくんですよね。医者も「昨日までただの貧血だったのに・・・!?」みたいになる。でも、村の人は「今年の夏は暑いからなぁ」とか言い出す。のんきか~~~。早々に屍鬼に気付くのは、医者の尾崎さんと寺の住職である静信さん、そして高校生の夏野くん。いや~~~~~~~~夏野!!!! 夏野まじ夏野。最初に言っておくと、「屍鬼」に出てくる人間、夏野くん以外は大概ポンコツです。ポンコツ!!!!

なので、個人的ポンコツランキングをつけたいと思います。第一回「屍鬼ポンコツ選手権~~~~!!!!!!

 

 

第三位:桐敷千鶴

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人間って言いましたけど、最初はちょっとこの女。お目目が真っ黒なのでわかるかと思いますが、屍鬼です。村に引越してきた屍鬼の1人、千鶴と言います。

屍鬼たちの最大の強みは「吸血鬼なんているわけがない」という常識です。だからどれだけ人が死んでも村人たちは「今年はよく死ぬなぁ」みたいな感じだし、医者の尾崎さんが「屍鬼はいる! 戦おう!」と言っても「いや、常識でもの考えてよ」みたいな態度をとる。なのに、夜は出歩こうとせず、以前は玄関に鍵もかけていなかったのにしっかり戸締りする。心のどこかでは屍鬼の存在を認めてるんです。でも具体的な対処はしようとしない。常識と違う行動をしたくないから。だから、屍鬼はめちゃくちゃ有利だったんです。ほぼほぼ村を乗っ取っていた。あと一歩だった。それを台無しにしたのが、このポンコツの千鶴です。

千鶴は村での暮らしにうんざりしてました。屍鬼は、昼間は出歩くことができません。ていうか、昏睡してる。日の光に当たったら焼けます。都会なら夜に普通の人間のふりをして遊びまわることができたけど、村ではそんな場所もない。人を襲うくらいしかすることがない。暇!!!! 千鶴は暇すぎて、自分たちの存在に気付いている尾崎先生を襲うことにしました。で、撃退された。

撃退されるだけならまだしも、村人たちの前に連れて行かれておもっくそ屍鬼だってバレます。千鶴のせいで、「吸血鬼なんているわけがない」という最大の武器が使えなくなったわけです。そして村人vs屍鬼バトルロワイアル屍鬼は、昼間は昏睡してますから、家捜しされて大虐殺です。屍鬼は結局敗北となるんですけど、原因は千鶴でしかない。こいつがいなかったら屍鬼の完勝でした。

 

第二位:結城

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夏野くんのお父さん、結城です。まじでびっくりするくらいポンコツ。夏野くんが死んだのは100こいつのせいです。屍鬼の存在に気付いていた夏野くんは命を狙われます。でも、屍鬼は 招かれないと家に入れません。だから襲われて死んだ人は、「いーれーてー」って言われて「いーいーよー」って言っちゃってるわけです。もちろん夏野くんだったら、そんなミスはしません。警戒してるからね。でもこのバカがあっさり「いーいーよー」って言うわけですよ。で、家にフリーで入れるようになった屍鬼に夏野くんが殺される。ていうか、「いーれーてー」って言いにきた屍鬼、小学生くらいの女の子なんですよ。「夏野に会いに来た。入れろ」って言ってくるわけです。なんで父親は「いいよ」って言ったの? 高校生の夏野がなんで小学生の見知らぬ女の子と友だちだと思うんだよ。そんで、「いいよ」って言ったとき、夏野は留守ですからね。なのに夏野の部屋に入れる。バカ? しかも「あとから兄も来るから入れろよ」って言われて、これまた「いいよ」ですよ。帰ってきた夏野くんはそれを聞いて、すぐに「屍鬼は招かれないと家に入れないんだ」と悟り、屍鬼の存在に気付いていたお友だちに「何があっても入れるな」と警告します。素晴らしい! なんでポンコツからこんな素晴らしい息子が生まれたんだ。しかも、結城のポンコツはここから加速します。屍鬼に襲われてぐったりしている夏野くんを見て、「これは最近みんな死んでる例のあれでは?」って気付く。のに! 「そんなわけない・・・」っつって病院にもいかねえ。しかも、夏野くんと共に屍鬼と戦っていた姉弟がお見舞いにきて、ごっそりお札とか魔よけを置いていくんですけど(屍鬼には有効な手段)それ、全部捨てますからね。全部こいつ。全部こいつのせいで夏野くんは死にました。死んだ後に、妻が失踪。これは屍鬼に操られて失踪したんですけど、探しやしない。尾崎先生が「屍鬼は存在する! 一緒に戦おう!」って言っても、「そんなことあるはずないだろ! ふざけんな!」と言って帰る。しかも、その理由が「もしそうなら、夏野が死んだのは自分が悪い。あの姉弟が正しかった。そんなことあってはならない」ですからね。エゴイスト中のエゴイスト。子どもなんか持つなお前は! さらに、千鶴によって屍鬼がいると証明されてからは積極的に屍鬼狩りに参加。お前、前日までのあの態度忘れたのか? お手本のような手のひら返し。夏野が死んで心神喪失状態になっていたアニメ版のほうがまだマシ。個人的には1.2を争うむなくそ悪いキャラでした。

 

第一位:室井静信

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屍鬼の存在にいち早く気付いて尾崎さんたちと一緒に何とかしようとする住職の静信さん。一緒に何とかしようとしてるはずなのに、何にもしません。静信さんは、屍鬼のボス沙子ちゃんとお友達になっていて、みんながその存在に気付いてないことからいろいろ察しています。なのに、みんなと一緒に「なぜ、こんなことが・・・」とかやります。いやいや、お前が沙子ちゃんに聞けば済む話やないかーーーーーーーーーーい!!!!!! 記憶喪失なんか????? しかもこいつ、セリフの大半が「わからない・・・」です。沙子ちゃんに「きっとあなたはこう考えているのよ」とか言われて「そうなのかもしれない」っていうのがお決まりのパターン。頼むから自分探しの旅に出てくれ。仕舞には「僕はそれを知らない・・・」とかグーグル翻訳みたいなこと言い出します。最初から最後まで自分のこと何もわかってない静信さん。中学生でそれは終えといてくれよな!!! 栄えあるポンコツ第一位です!!!!!!

 

静信さんが何か一個でも村のために行動していれば、村はそもそも危険にならなかったかもしれない。静信さんが結局屍鬼の側につくのは別にいいんですけど、それが「何でそうするのか自分でもわからない・・・」みたいな、「流れでなんかこっち側にいました」みたいな責任持たない感じがめっちゃむかつくんですよね。何もしないなら、何もしないと言え。人間にとって大事なポジションに居続けようとするな。キーーーーーッ!!!!!

 

でも「屍鬼」はおもしろいです。村こわい村こわい。ポンコツのみんなも愛おしいよ。やきもきしながら読んでください!

 

屍鬼〈1〉 (新潮文庫)

屍鬼〈1〉 (新潮文庫)