ドリームの日記

社会の荒波に負けた。

ただただ傍迷惑な真理 加門七海『真理 MARI』読みました

加門七海さんの『真理 MARI』読みました。加門さんのホラーは『祝い山』から入ったんですけど、もう最高&最高で、だってあのー、一個も解決しないんですよ、祝い山。リアル!!! なんで怖い目にあわなきゃいけないのかとか、どうやったら大丈夫になるのかとか、一切わからない。現実で怖い目にあったら実際こんな感じなんだろうなってのがすげえ良かったです!!!

 

で、そっから加門さん好きになって何冊か読んでるんですけど、『真理』はね、あのーーーー生霊の話で、あれです、女の生霊がね、旦那の不倫相手呪ってやるぜ的なね、話なんですけど。

主人公はその呪われちゃうやつなんですけど、まあ、不倫してないんですよ。生霊とばしてる女の勘違い。不倫相手だと間違って呪うんです。そんな迷惑な話ある?????? 殴れ。殴れもう。本体を殴れ。

 

もうね、ずーーーーーっと傍迷惑。全然誤解とけない。生霊だけじゃなくてね、ていうか生霊はたぶん意識せずとばしてたやつだと思うんですけど、あのー、普通にマンションに来て「死ね」って手紙ポストに入れたり、非通知でめっちゃ電話かけてきたり嫌がらせするんです、真理が。あ、勘違い女の名前がタイトルの真理なんですよね。

で、生霊のところは結構怖い描写とかあるんですけど、なんかもう真理にムカつき過ぎて全然怖くなかった。怒りは恐怖を凌駕しますよね。わたしは本当に恋愛関係の話が苦手なんだ。なぜなら絶対バカの登場人物がいてムカつくから。お前のことだ真理。

 

そんでとうとう主人公が真理に言うわけですよ。「全部あんたがやったって知ってるんだから!」「あんたの旦那、全然いい男じゃないし不倫なんてしねーよ!」って。いいぞ! そのとおりだ!

そしたら真理、泣いて逃げましたからね。「わたしだって知ってるんだから!」ダッ!!!(走り去る)

 

ダッ!!! じゃねえよ。

 

聞け、おい聞けバカ。ああああああああムカつく~~~~~~~~~

しかも!!!! しかも真理そのまま自殺するっていうね。はあ?

そんでまあ、なんかあのー、主人公の誤解は解けないまま、生霊じゃなくてガチの呪いになってくわけなんですけど、本当に迷惑にもほどがあるだろ。どんどん怖い描写が増えていくんですけどね、もう腹が立って腹が立ってわたしはそれどころではない。終わり方はね、まだ良かったですけどね。あれ、同じく加門七海さんの『203号室』(1人暮らしの家で起きる怖い話)の終わり方に近かったのかなーーー! と思いました。

 

真理はなんか満足げに終わってましたけどね、それすら勘違いだからね!!! バーーーーーカ!!! バーーー!!!! カ!!!!!!!!! 真理!!! おい!! お前だ!!! バーーーーーーーーカ!!!!!

 

人間が怖い系、おばけが怖い系とホラーにも種類があると思いますが、『真理 MARI』はどっちも楽しめる感じでよかったですよ。真理の所業に腹が立たない人におすすめです。腹立つ人も結局楽しめるのでおすすめです。

生霊とばすときは、ちゃんと確固たる自信を持ってからとばさないといけませんね。

 

真理 MARI (光文社文庫)

真理 MARI (光文社文庫)