ドリームの日記

社会の荒波に負けた。

映画『鬼談百景』ホラーと短編は相性が良いって何回でも言いたい

小野不由実さん原作の『鬼談百景』が映画になりました。ワーイ! 『残穢』のスピンオフみたいな感じになってます。残穢の主演(ホラー小説家役)だった竹内結子さんが、ナレーションというか、「読者からこんな手紙が届いた」っつってホラー映画が始まる、みたいな感じ。テレビのほんこわの導入の感じです。

竹内結子さんの無気力な喋り方良かった。ホラーよね。残穢を観てなくても全然おもしろい。

 

『鬼談百景』はもともと短編集で、その中から10個の短編を映画化したやつです。わたしはホラーと短編の相性って最高だと思ってて、なのでこの原作も映画も最高なんですけど、最近ホラー全然観てなかったので耐性が下がり、より怖い思いができました。

 

10個の作品の中でも特にお気に入りだったのが、「赤い女」「続きをしよう」「密閉」の3個です。どれも小説とはオチ? が違うので少し「ムム」とも思ったのだけど、映画だからインパクトのあるところ作らないといけないのでしゃーなし。好きでした。

 

「赤い女」はもうタイトルからしてホラーですよね。赤い女って名前の怖い話たぶん調べたら100個くらい出てくるだろ。赤と女のホラー度の高さ。

ストーリーは単純に「赤い女の話を聞いたやつのところに本当に赤い女が来る」ってのなんですけど、この「本当に来ちゃう赤い女」がすげえバタバタ走りながら来るの。それがちょっとウケる。笑いと恐怖って本当に紙一重よね。

 

普通「本当に来ちゃう幽霊」って気付いたら遠くのほうに立ってる、それがなんか段々近付いて来てる・・・!? って感じだと思うんだけど、この赤い女はもう本当に全力で来る。バタバタ走りながら来る。バタバタ走りすぎてスッ転んだりする。

 

めっちゃバタバタ走るので疲れてるのか知らんけどゼエゼエ言ってる。なんかもう、生身。全然幽霊じゃない。生身。でも、襲われてる女の子は「キャアーーー!!!」ってなる。いや、たぶん殴ったら勝てそうだよ? と思うけど、実際あんな勢いで走って来られたら怖いよなあ。必死になる幽霊ってのは斬新だった。良い。なんであんなに必死なのかはわかんない。それも良い。

 

「続きをしよう」はもう好みにドンピシャなんですよね。子どもたちが墓場で遊んでて(なんで墓場で遊ぶことになったのか本人たちもよくわかってない)一人ひとり怪我をしていっちゃって、全員帰ればいいのになぜか帰ろうという気持ちになれない。怪我をしたら帰れる。最後の一人になりたくない・・・っていう話。それを、セリフとかで説明してないのに観てる人間にわからせるんですよね。たまにナレーションは入るんだけど・・・そこで説明もするんだけど、それにしても子役の演技すごくない?

 

ホラー映画における子役の演技力の高さ、本当にいつもいつも謎。天才子役!!! とか騒がれてる子たちの仲間入りしてほしい。あの、怪我をして痛いけど、これで帰れると安心してる顔。なにその演技力。スキ!!!!!!!

最後の一人になった子に何が起きたかは、本当は謎のままなんだけど映画的にはそうもいかないからちょっと怖くしてる。でも何が起きたかわからないほうがわたしは好き。そのほうが怖いし。でも映画だししゃーないよね。

 

「密閉」は単純に怖い。ていうかインパクトがある。ほかの話は一応実話っていう感じなんだけど、密閉だけは実話であってたまるかって感じ。いや、実話ならそれはそれで興奮するんだけどさ。

 

一人暮らしの女の子の話で、絶対に閉めたはずのクローゼットがなぜか見るたびにちょっとだけ開いている・・・って話。クローゼットとか部屋の扉とか、ちょっとだけ開いてると怖いよね。なんでだろうね。全開になってたら逆に怖くないのにね。

 

そんな感じで、やっぱり短編とホラーの相性は最高です。ダラダラしないで怖いからね。怖くないパートがないから。ずっと怖い。ぜひ観てください。赤い女、かわいいよ。

鬼談百景

鬼談百景