ししりばの家を読んだ
澤村伊智さんのししりばの家を読みました。
デビュー作の「ぼぎわんが、来る」から「ずうのめ人形」、「恐怖小説キリカ」と全部楽しく読んでいたので待望の4作目でした。
恐怖小説キリカだけは人間が怖い系のお話なので、ホラーシリーズとしては3作目。ぼぎわんとずうのめを読んだ方はわかると思いますが、今回はお姉ちゃんが出てきます!もちろんちょう大事な役です!
「ししりば」が住みついている家で起きる怖い話。過去編の小学生たちが忍び込んじゃうところは、純粋にホラーでとても楽しい。
途中までは本当にただただホラーという感じで怖くて最高でした。
何も悪いことしてないのに、家に入ったらアウトという理不尽な感じが好き!
わたしは、ホラーの理不尽なところが大好きなんですよね。
「呪われた人の携帯の連絡帳の中からランダムで次の呪いの対象が決まる」とか、「宿泊先のロッジにあったビデオ見たら呪われた」とかさ。
いつ自分にも降りかかってくるかわからない恐怖が最高だと思うんです。
ししりばは、だんだんと怖くなくなっていくのでホラーが苦手な人にもおすすめ。
ずうのめもそうだったけど、謎解き要素があるというか、だんだん真相というか「ししりば」についてわかっていくのでそれも楽しめる。その代わり怖さはなくなる。
ただ、怖くなくなっても緊張感がなくなるわけではなく、ししりばに操られた住人に、視点主の女の人が殺されてしまうんじゃないかとハラハラします。
最後は、「犬かーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー・・・」となりました。
ししりばの最大の敵が犬で、主人公の飼っている犬に助けてもらい、ししりばがビビっている隙に封印するという流れ。銀、頭よすぎない? 大丈夫?
犬が天敵っていうのも、ちゃんと読んでいたら伏線あるし筋も通っていて良かったです。
ただ、個人的にはエンタメ感がどんどん強くなっていって、そこもおもしろいのだけど・・・ウー・・・
もう少しホラーが全面に出ているほうが好きかなぁと思いました。
デビュー作の「ぼぎわんが、来る」も最終的には霊媒師のバトルになるんだけど、本当に最終的にはって感じだったし、とにかくぼぎわんが怖かったので気にならなかったんだよね。
ずうのめからエンタメ感が増してきたのかな~~~でもずうのめも、どんどん迫ってくるところが古典ホラーっぽくて怖かったし、ししりばも家に得体の知れない何かがいるという不気味さが怖かったし・・・
最初のうちは怖さを楽しんで、だんだんとエンタメ要素を楽しむように読んだら良いのかもしれません。ホラーと笑いって紙一重だしな!
なんやかんや、好きな話だと思いましたし、澤村さんが今後また本を出したら買います。次のお話はどんなのかな~~~楽しみ!
おわり。