ドリームの日記

社会の荒波に負けた。

墓地を見おろす家を読んだ

小池真理子さんの「墓地を見おろす家」を読みました。

サイコーの本です。

 

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若い夫婦と小さい娘がマンションを買って引越したところから始まります。

主人公は妻の美沙緒。子どもの名前は玉緒。カワイー。

あと、犬と鳥もいる。クッキーとピヨコ。カワイー。

 

そのマンションは寺・火葬場・墓地に囲まれている。

うわ~と思ったが、安さには変えられず購入したとのこと。

 

そして案の定起こる怪異。

というか引越し早々、飼ってた鳥が死ぬ。次の日から玉緒が「毎晩ピヨコ来るよ~」と言い出す。

ピヨコによると、すごく暗くて怖い場所にいる。このマンションから出たほうがいいとのこと。

ピヨコ~~~!!!! 最初から忠告してくれてたのに、人間は愚かでごめんな~~~~~!!!!

次はテレビの不具合。美沙緒もだんだん「なんか怖! このマンションやっぱ何かおかしいで!」となる。

 

美沙緒たちの前に入居していた人もどんどん引越しだす。

8階まであるマンションなのに世帯数、5。やばい。

美沙緒たちと、4階の井上さん家族(美沙緒たちと仲良し)と気功を操る親父とホステスの女と管理人夫妻。

ホステスの女性は、こんなところ住んでられないわと言ってすぐに引越す。

地下室だけは気をつけてねとか もう「THE」なことを言い残して引越した。

 

このマンションには「物置として好きに使ってネ!」という地下室(トランクルーム)がある。外からの階段はなく、行き来できるのはエレベーターのみ。

美沙緒は怖くて近付きたくないなと思っていたけど、玉緒はよく井上さんの子ども・かおりちゃんとかと遊びに行ってた。

そんで玉緒が怪我する。地下室で足をスッパーーーン切られてぎゃん泣き

玉緒が怪我してることはわかるのに、動かないエレベーター。地下にはエレベーターで行くしかないのに。美沙緒はほぼ発狂。

そこに気功を操る親父が現れて、謎のパワーでエレベーターを動かしてくれた。

(数少ない んな訳あるかーーーーーーい! のポイント)

 

玉緒、無事救出。

医者には「かまいたちじゃないっすかねぇ?」とか言われる。

地下だから風とか起きないのに。

気功を操る親父も「地下室はマジぱねえ 気をつけてネッ!」と言い残し、引越していく。

 

美沙緒はもうこのマンションやべえ 地下室はぜってーーー行かねえ!! となっているのだけど、旦那の哲平は「まーーーたそんなこと言って ハァ」みたいな感じ。

 そんな哲平も、管理人夫婦に頼まれて一緒に地下室の点検に行った際に死ぬ思いをする。

これは“やべえ何か”の仕業だ~~~死ぬ~~~ となって引越しを決意。

管理人夫婦と仲良し井上さんも引越しを決める。最初に引越すことになったのは井上さん。実家が土地を所持していたので、そっこーで行けた。

 

それで美沙緒たちと管理人夫婦は見送りに行くのだけど、エントランスのドアが開かない。それどころか、ドアにはどんどん手形がついてくる。こっっっわ。

なんかクッキーが吠えたりしてドアが開く。引越しトラックに飛び乗る井上家族。

怯えている美沙緒に「(置いていって)ごめんね」と言い残し、無事脱出した。

 

美沙緒たちも、条件とか言ってられないからとにかく部屋を見つけようとなり、不動産へ。それなりに条件の良い部屋が見つかるも、謎の火事で建物が全焼。ありえん。

そ、そんなことある・・・?(ない)となったが、もう1つ候補にあげていた部屋に決める。そこはOLが住んでいるのだけど、結婚を機に出て行くので、一週間ほど待ってネ! というところ。

しかし、OL謎の突然死。なぜ死んだのかまったくわからないので、調査もあるので部屋には入れないことに。

美沙緒、“あいつら”が引越しを阻止してるんだ・・・!!! ヤダーーーーーーーー!!!! となる。

ていうか、巻き込まれて死んだ結婚間近のOLが可哀想すぎる。また燃やせば良かったじゃんか~。

 

そんなこんなしているうちに、管理人夫婦の引越しが決まる。別のリゾート地で住み込みの仕事を見つけたらしい。

地下室で死ぬ思いをして以来生気のなくなっていた旦那も、ようやく元気になる。

エントランスのドアも事前に開けておいて無事脱出。

タクシーに乗っていると、運転手が「ずいぶんたくさんの子どもたちが見送りに来ていましたね」とか言い出す。そんな奴らはいない。

しかし脱出した管理人夫婦はまったく動じない。もう関係ないからね。

 

この管理人の奥さん、美沙緒のことが嫌いだったんだけど、見送りの挨拶のときに「あ~やっぱりこの女は完璧だ。ここじゃない場所で、もっと仲良くなりたかったな」みたいに思い直すのね。そこがなんか好きなのよ。

ていうか、美沙緒がまじで完璧なのよ。哲平との間にもいろいろ喧嘩あるんだけど、そんな人間いるわけねえだろってくらい完璧。すげーーーーーや。

でも、不倫はダメですよ。(哲平とはもともと不倫だった)

 

あと、ここら辺になると、玉緒がピヨコの話をするのを嫌がっていた美沙緒が、情報収集のために「ピヨコは最近来る? なんて言ってる?」と自分から聞き出すのが良かった。

三津田信三さんの「どこの家にも怖いものはいる」のキヨちゃんの話に似通ったものがあると思ったわ。

「どこの家にも怖いものはいる」も、その名の通り家で起こる怖い話。

子どもにしか見えない「キヨちゃん」とそれに対処しようとする母親の話で、めちゃんこ怖いのでぜひ読んで。

母親はキヨちゃんを何とかしようと、だんだん娘からキヨちゃんの話を聞きだすようになるって感じ。

 

そんで、とうとうマンションに1家族となってしまった美沙緒たち。でも、ようやく家が決まって、引越しも明日! やっと脱出できる! と期待が高まる。

哲平の弟夫婦も引越しを手伝ってくれるということで、前日から泊り込みに。

 

引越し当日、案の定あかない窓。

玄関は開く、エレベーターも動く、エントランスは開かないし手形ビッチリ。

弟夫婦、初めて引越しの理由を知らされる。「そんなところに呼ぶんじゃねえよ!」との最もな怒り。

確かに危ない場所に身内呼ぶのはもう何かアレだし、引越し当日に何もないわけないんだから、事実を隠しときたかったんなら呼ぶべきじゃなかった。でも、怖いし無関係な人を呼んだら何か大丈夫かも! という理屈のない逃げはわかる。わたしもたぶんそうしたくなる。

てか、前日はホテルに泊まるとかできなかったんか? クッキーがいるからかな。

 

引越屋とか電気屋とかが来て、あれ? ドア開かない? となるんだけど、なぜか蒸発して死ぬ。ここはちょっと笑っちゃった。霊、強すぎるだろ。

で、まぁマンションから出られなくなって、この日本で餓死の可能性が出てきたわけですね。冷房も使えないから、脱水もありえる。

 

その後地下室に食料があるので、取りに行くことになったんだけど、てんやわんやあって弟夫婦が死亡。そんなあからさまに怪しい空洞に入っちゃいけないに決まってるでしょ~~~~~バカ~~~~~。

で、部屋に逃げ帰る美沙緒たち。その後マンションでサバイバル生活。

数日後の夜中、美沙緒たちが寝ているときに エレベーターが8階まであがってくる・・・寝ていたクッキーが反応して起き上がって、おわり。

 

おわり。

 

 

ひゅ~~~こわい~~~~~

結局何がいたのかとか、どんな理由でとかまったくわからないんですよね。

美沙緒が土地の過去をいろいろ調べて、地下道があったことはわかっているので、その関係だとは思うものの、実際なんなのかは不明。

でもさ、怖い話ってそんなもんじゃん。なんでかわかんないけど、祟られるほうがめっちゃ怖い! 好き!

 

読み終わったときは、まじで何も理由がわからないの好き~~~~でも玉緒とクッキーどうなるんじゃ~~子どもと犬は生かしとけよ~~~~~!!!!! と思いました。

まぁ、人間を一瞬で蒸発させて殺すやつに勝てるわけがないんだよな・・・

美沙緒たち以外が脱出できたのも謎だけど、ちゃんと考察すればそれも予想ついたりするのかな。

頭のいい人の考察ブログ読んでこよ~~~~~っと!

 

おわり。

 

墓地を見おろす家 (角川ホラー文庫)

墓地を見おろす家 (角川ホラー文庫)