ドリームの日記

社会の荒波に負けた。

文庫化まじでありがとう 三津田信三『怪談のテープ起こし』読みました

わたし三津田信三さん大好きなんですけどね、そのきっかけがこの『怪談のテープ起こし』なんですよ。いや、先日はじめて読んだんですけど。

あの~なんかおもしろいホラーないかなと思って探してたときに、この本みつけまして。『怪談のテープ起こし』って絶対おもしろいじゃん。そんなん、どう転んだっておもしろい設定じゃん怪談のテープ起こすとかさ!!!

ってなったんですけどね、単行本しかなかったので文庫待とうと思って。なぜならわたしの読書時間は電車内だから。単行本重いからね。で、そのとき文庫で置いてあった『七人の鬼ごっこ』買って帰りまして、そしたらおもしろかったんだぁ。ホラーとミステリが両立するってのを初めて知ったので!!! で、ほかの文庫買いながら三津田ワールド楽しんでたんですけど、先日!!!!! 『怪談のテープ起こし』文庫化ってTwitterで見まして!!!

もう職場でステップ踏んだよね。よろこび~~~~~~~~

 

三津田信三さんは小説家になる前は書籍の編集をやっていた方で、その時代に集めた怪異の話を本にしましたみたいなメタな感じのやつ(たぶん本当の話もある)が多いんですけど、今回もそんなのと、小説家になってからの話も混ぜながらつくった短編集です!!!

 

で、表題のとおりテープ起こしの話があるんですよね。やっぱりわたしはそれが一番好きだった。「死人のテープ起こし」ってやつなんですけど。三津田さんが編集者時代の話で、自殺した人が直前にテープに声を吹き込んでるのを集めてそれを起こして雑誌に載せるっていう。どんな神経してたらそんな企画思いつくんだ? 大丈夫? 人とか殺してない?

そういうテープを何本も何本も聞いてたらやっぱりおかしくなってくんのかな。いろいろ解決してないし怖かったです「死人のテープ起こし」! すき~~~~~!

 

あとは、「すれちがうもの」も怖かったですね! 女の人が出勤するときに踏み切りを待ってたら、向こう側に黒い人影が見えたのに、電車通り過ぎたらいなくなってる。次の日、踏み切りのこちら側でその人影とぶつかりそうになり咄嗟に避ける。慌てて振り向いたら人影はない。さらに数日後、踏み切りのかなり手前ですれ違う。二度見したら人影はない。

そんな風に、絶対に人間じゃない謎の人影が、だんだん女性のマンションに近付いてくる話。マンションの中まで来ちゃったときの怖さよ!!!! でもなんでその影が自分のところに来るのかわからず、全然対処もできない。自分だったらどうしようと想像して怖かった。どうしようもないもんね。結局どうなるのかはぜひ読んでくれ。

 

あと、怖さ的にはそうでもなかったけど「集まった四人」もおもしろかったですねーーー!!! 先輩に誘われて登山に行ったら先輩が急用で来れなくなり、同じように先輩に誘われてたまったく知らん3人と合流し4人で登山する話。寄せ集めの4人。先輩から「別のルートを見つけた。全員分の石を用意しておく」っていう意味わからんメッセージがあり、その脇道を見つけたあたりから段々様子がおかしくなっていく。山はね~~~良いよねホラーとの相性が。個人的に海より山の怖い話のほうが好き。

 

そんな、いろんな話が入ってる短編集なんですけど、実はつながりがあって・・・みたいなね。

一個、雨の日に聞いちゃいけない話ってのがあったんだけど、読んだときゴリゴリに雨降ってたので倍怖い思いできて楽しかった。読み終わった後、風呂に入るのがこえーんだ。最高か?

最後の「もあぢろびぢうぢなまばぢま、づめねぢぬんねがう」の謎に関してはまったくわからないです。考察ブログとか探してみたけど、誰も書いてなかった。知りたいような、知りたくないような、でも知りた~~~~~~~~~い!!! そんで「聞かなきゃ良かった!!!!! 怖い!!!!!」ってなりたい。誰か謎解けた人がいたらわたしにも教えてね。

怪談のテープ起こし (集英社文庫)

怪談のテープ起こし (集英社文庫)

 

装丁もめっちゃオシャレ!