ドリームの日記

社会の荒波に負けた。

『不思議の国の少女たち』を読んだ 老若男女みんな読んでくれ

頼む読んでくれ。あれ、あの~アリスとかいるじゃないですか。別世界に行っちゃう子。ナルニア国物語の子とか。知らんけど。ああいう、別世界に行っちゃった子の、その後の話です。

主人公のナンシーは冥界? 死者の堂とかいうなんか動かないことが美。みたいな世界に行ってて、死者の王様に「確信を持って帰って来い」とか意味わからないこと言われて地球に戻ってきた。

 

ナンシーにとっての故郷は、もう死者の世界なんですよ。帰りたいの。そんな子たちのための学校があって、その学校に通う子はみんな何かしらの世界に行って望んでないのに戻ってきちゃってる。その子たちにとって「帰る」ってのは、自分の世界に帰ることなんですよね。いいな~~~そういうの。妖精の世界に行った子もいれば、よくわからんけど虹の上を走り回る世界に行ってた子もいる。ヴァンパイアの手下になった子もいるし、ゴブリンを倒して王様になった子もいる。

 

その世界の中もいろいろ区別分けされてて、ナンシーみたいになんかヴィランっぽい世界に行ってた子は差別されたりもするらしい。だから骨とお話できるって隠してる子もいる。どこの世界にもある差別。みんな仲良くしろ。

 

でもナンシーの周りは良い子たちばっかりよ。「あんたのところはどんな世界なの?」「へえ~じゃあこの色の服は着たくないよね、これをあげるよ」みたいな。お互いを尊重しあう精神~~~~!!!

 

そういうちょっと変わった境遇の子たちの集団生活ってだけでもおもしろいのに、殺人事件が起きる。いきなり推理小説

ヴィランっぽい世界の子たちは疑われたりするんですよね。マッドサイエンティストの弟子だった子は疑われたときに「私なら死体を残したりしない」って言ってみんなにちょっと納得されてて笑った。マッドサイエンティストの弟子て。

 

まあちゃんとした推理小説じゃないので、別に推理して犯人を見つけるわけじゃない。たまたま見つける。TAMATAMA

でも全然良い。楽しい。みんな幸せになってほしい。みんなちゃんと自分の世界に帰ってほしい。わたしはナンシーが帰れるかどうかがずっとずっとずっと気になってたよ。最後の1行で帰ったときは拍手しました。ありがとう!!!!! 家族置き去りにしたって、友だちに最後の挨拶もできなくたって、それがハッピーエンド!!!!!!!!! 最高!!!!!!!

 

この学校の子たちは、誰かがいきなりいなくなったら「あ、帰れたんだ!」って思うの。挨拶なんかしないってみんなお互いにわかってる。帰れるチャンスがあったら、絶対に逃さないで帰るってみんな思ってるから。好き~~~~~~~。だから、きっとナンシーがいきなりいなくなって学校のみんなは喜んだと思う。それも嬉しい。

 

結構薄いしスラスラ読めるのでいろんな人に読んでほしい。てかこれ、普通に10代の子が読むやつだと思う。でも29歳が読んでもすっげえおもしろかったよ。心は少女だし、いつでも別世界に行きたいからな。わたしも帰りてえ~~~~~。

 

不思議の国の少女たち (創元推理文庫)

不思議の国の少女たち (創元推理文庫)