あやかしの人魚が楽しかった話
先日、池袋サンシャイン水族館でやってるお化け屋敷「あやかしの人魚」に行ってきました。
あれね、夜だけお化け屋敷とコラボするやつね。
去年もやってたけど行けなかったのでリベンジしたのだ 嬉しすぎ。
お化け屋敷プロデューサーとして有名な五味弘文さんのやつですね。
わたしは何年か前に五味さんプロデュースの「ゆびきりの家」に行ったことがありまして。女友達3人でお手手つないでビビりながら楽しみました。
それがすごい楽しかったので、今回も期待期待期待! という感じで。
並んでたら小学生を連れてる親子が2組くらいいて「ぜったい泣いちゃうじゃん!」って思った。
「その場でうずくまってしまう人もいた」と聞いていたので。
数人のグループごとに入場するのだけど、その際にタッチペン付きの音声ガイドを渡されます。
水族館内には、いくつかのチェックポイントがあり、そこにタッチペンをタッチすることによって耳元のヘッドフォンから人魚の語るストーリーが聞ける。
途中のチェックポイントで水槽があからさまに赤くライトアップされていて、あそこのストーリーぜったい怖いじゃん!!!!! ってなった。
まぁ、ストーリーはあくまで「これを踏まえたうえで」ってやつなので、そこまで怖がるところはないです。ここでは夜の水族館を楽しんでほしい。寝てる魚が一番怖かった。
ストーリーをぜんぶ聞くと、音声ガイドを返して「この先、人魚がいますよゾーン」に突入します。
係りのお兄さんに「鐘が鳴ったら、絶対にその場から動かないで下さい」と言われたんだけど、そのお兄さんが怖い感じにライトアップされながら話すから、こういうところまで計算されてるんだなぁすげえ! と思ったよ。
ちなみに、ストーリーを聞き終わった人から「人魚がいる怖いゾーン」に突入するので、他の人たちとタイミングが違ったら、自分たちだけで行くことになる。
それめっちゃ怖すぎるだろ。
わたしたちは、ちょうど小学生の男の子とその母と一緒に行けた。
ただ、先を歩いていた男の子が「お母さん、あの人たちに先に行ってもらおうよ。ぜったい前の人が襲われるんだよ」って言い出して思わず「まじで!?」って言っちゃった。
そんでめっちゃ怖かったけど、前を歩いてあげました。大人だから。
やや怖いゾーンを歩いているとかすかに聞こえる鐘の音。
思わず立ち止まってこわいこわい言っていたけど、何も起こらない。
ぜったいこれ動くじゃん! って思って見てたやつも1mmも動かない。
後ろでじっとしてる男の子もこわいこわい言いながら「??」ってなってた。
そんで進んでいったらまた係りの人がいて、「この先鐘が~」って説明が始まった。
わたしたち、耳がよすぎて全然関係ないところで律儀に立ち止まってたらしい。
小学生まで巻き込んで。
すげえ恥ずかしかったけど、気を取り直して進んでいたら、さっそく「ゴーーーン!!」「ゴーーーーーン!!!!」って鐘が鳴った。この大きさは間違いなく鳴っている。
そんで立ち止まったら、横を普通に係りの人が歩いて行って「え、めっちゃ普通に歩くじゃん」って言っちゃった。
そこで起こることは内緒ですけどね、小学生の男の子は「ぎゃーーーー!!!」言ったあとに「もう一回! もう一回!」って楽しんでたよ。無邪気。
あくまで水族館とのコラボなので、脅かし要素は結構少なくて、水族館そのものも楽しめてよかった。そんで怖いところは集中して繰り出してくるので、ぎゃーーーーー!!! 言いながら楽しんでほしいと思う。
わたしは何が来るのかわからないときが一番怖く思ってしまうので、ぎゃーーー言わなかったけど、今後は積極的に叫んでいきたい。そのほうが楽しいと思う。
一緒に行った人は、最後の脅かしのところで普通にすっころんでたよ。
サンシャイン水族館の年パスも買ったので、今度は普通に昼間も楽しんでみたいと思います。
ジュラシックワールド2が待ちきれないからジュラシックワールドの話をする
来年2018年に待望のジュラシックワールド2が公開予定ですね。
オーウェンとクレアの主人公コンビが続投とあってはちゃめちゃに楽しみです。
でもザックとグレイは出ないっぽいんだよなぁ 残念すぎる。
サプライズでメインキャストにしれっといてくれないかな・・・
ジュラシックワールドは映画館に観に行きました。3D。
本当は4Dで観てみたかったんだよね。相当よかったらしいな・・・!
2はぜったい4Dやってるところ探しますぜったい。
ちなみに、字幕ではなく吹替えで観ました。恐竜に全力で集中したいので。
玉木宏の絶妙な棒読み感、わたしは好きでしたよ。
全然関係ないけど、ジブリ作品のお父さんたちが棒読みなのかなりいいですよね。サツキのパパとかしずくのパパとか。
わたしがジュラシックワールドで大好きなシーン第三位は、モササウルスの登場シーンです。
グレイが「見てよ! ザック! モササウルスだよ!!」とはしゃぎ、それまでスマホばかり見ていたザックがふと顔を上げると、もうね、大迫力のモササウルスですよ。
ザックも思わず興奮。「歯が88本もあるんだ!」と叫ぶグレイに「もっとすごいもの見たいか?」と声をかけるように。
兄弟を仲良くさせてくれるモササウルス。ザックの笑顔を見せてくれるモササウルス。最高です。
ていうか、普通にあのサイズ感に興奮するよね。
現在確認されている中で最大のモササウルスは確か18メートルだったんだけど、確実にそれよりでかい。
インジェン社が、モササウルスをつくりだすときに絶対に遺伝子操作したなって感じ。
でもさ! そこも魅力だよね!
よくジュラシックパークシリーズに対して、恐竜たちは実際そんなスピードで走れないとか、そんなに大きくないとか言う人がいるけど、そんなん遺伝子操作してんだから当たり前じゃん!
それに、恐竜はいつだって「今わかっている情報では」という不確かなものなんだし、本当にスピノサウルスがティラノサウルスを瞬殺できたかもしれないし、モササウルスだってもっともっと大きいものがいたかもしれないよね。最高かよ。
モササウルスは、体に傷がついているものも多数発見されていて、
仲間同士でナワバリ争いか、共食いがあったと言われているらしい。
つまり、モササウルス同士で戦ってできた傷ってことね。
でも、もし他にモササウルスくらい大きくて強いやつがいたと思うと興奮するな。
いたらいいな。
大好きなシーン第二位は、ラプトルのブルーがティラノサウルスの背中に飛び乗るところです!
ティラノサウルス絶体絶命からのブルーちゃん登場のシーンと迷いますが・・・(無音からのブルーちゃんの鳴き声ちょういいよね!!!)(そしてスローで現れる)
ティラノサウルスとブルーちゃんが一緒に戦うところ、ブルーちゃんがインドミナスレックスに飛び掛るために、ティラノサウルスの背中を踏み台にしているんですよ。
最高!!!!!!!!!!!!! 言葉にならない!!!!!!!!!!!!
そして大好きなシーン第一位は、もちのろん ティラノサウルスの登場シーンです!!!!!!!!!!!!!!!!! わーーーーーい!!
かっこよすぎる あのシーンは。
グレイの「もっと歯がいる!」みたいなセリフでクレアが(はっ!)みたいな顔してさ、わたしもスクリーンの前で(はっ!)って顔してたわ。一緒に気付いたわ。
もうさ、(あー!だから今までまったく姿も映らなかったのね)と思った。みんなはとっくにわかってたのかもしれないけど、このタイミングで気付く察しの悪さによってさらに楽しめていたと思う。
そんでさ! 「9番ドッグをあけて」「9ばん・・・本気か!?」「男でしょ?」「このタイミングで言うかな・・・」のところのさ! BGMがさ! 最高の高じゃないですか!!!!
それで どん! どん! どん! って効果音が入るんですけど、ここが ここが本当に血が沸く。血が沸き肉が踊るよ。
アニメで つづく・・・ってなるときの効果音みたいだなっていっつも思うけど。
どん! って効果音が終わって、まるでターミネーターが現れるときのような音楽が鳴り始め
そしてティラノサウルスの影が~~~~~ああああああああ~~~~~!!!!
しぬよね 興奮で。
何回みても このシーンで泣きそうになるんだ うれしくてよぉ
クレアがティラノサウルス見ながら頷いてるのも良い。
全然関係ないけど、ジュラシックパークシリーズまったく見たことない後輩が、そのシーンをみて「ティラノサウルスのほうがインドミナスより断然かっこいいじゃないっすか」って言っていて「おっ! わかってんね!」と上から目線でこたえた。
ティラノサウルスはちゃめちゃにかっこいいよね。
それでさ、広間にティラノサウルスがはしってきてさ
標本をぶち壊して雄たけびをあげるあの最高なシーン
壊してる標本、スピノサウルスなんだよね!!!!!!!!!!
ジュラシックパークⅢでティラノサウルスはスピノサウルスちゃんに秒殺されてさ、わたしは少しかなしかったよ
スピノサウルスもよかったけど、やっぱりティラノサウルスには王者でいてほしかったのよ
その少しのモヤモヤをさ!!! ジュラシックワールドの登場シーンでさ!
ぜ~んぶ払拭してくれたよ~~~! うえ~~~んありがと~~~~!!!!!!
というわけで、本当に最高な映画だジュラシックワールドは。
みんなの大好きなシーンも知りたいな。
ぜったいにジュラシックワールド2劇場に観に行こうな。4Dでな。
作者不詳 ミステリ作家の読む本(下)を読んだ
三津田信三さんの「作者不詳 ミステリ作家の読む本(下)」を読みました。
全部で7作の短編が収録されている迷宮草子。上巻では第4話まで進みました。
下巻最初の話は「朱雀の化け物」。
最高です。迷宮草子の中で一番好きな話。
よくわからない男が、古いお堂かなんかでノートを見つけて読んでみたらとんでもない話が書いてあった。
ノートの中身は、1人のいじめられっ子がクラスメイト数人とコテージ(だった気がする)に泊まりに行くんだけど、そこで全員何者かに殺されるって内容。
境遇とかアリバイ的なもので考えると犯人は絶対にいじめられっ子の女の子なんだけど、ノートの最後には、その女の子も死体で見付かったって書かれている。
じゃあこのノートを書いたのは誰? 犯人は誰? 全員死んでいるのに! という話。
ちゃんと読み込めばわかるかもしれない。わたしはまったくわからなかった。
ちなみに、これを読んで遭遇する怪異は「朱雀の化け物に襲われる」。
まじでそのまんまかい。ていうか小説の内容自体には関係ないやんけ。タイトルは比喩だわ。
突っ込みは追いつかないけど、化け物が追ってきてそれから逃げるシーンはハラハラドキドキしておもしろいよ。学校に逃げ込むんだけど、(そ、そんなホラーの定番怖いスポットに!!!!)と感動してしまった。
あとなぜかまた霧が出てくる。1話目の怪異の霧が。
これも飛鳥さんが解くんだけど、もう、なるほどおおおおおおおおって感じです。
そうだね、言われてみるとその通りだね!!!!!!!!! ってなる。
わたしはこの話が一番好きだーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!
いじめはダメ、ぜったい。
6話目は「時計塔の謎」。屋敷+時計塔とか舞台として100点満点かよ。
これは、主人公の男の子が初恋の女の子の家(屋敷)に遊びに行ったら、その日に女の子が時計塔から転落して死ぬ。いったい何が!? という話。
自殺なわけがない。でも他殺の形跡もない。何かどうなってるの~~~ってやつ。
これの怪異は忘れた。朱雀の化け物がまたなぜが出てきた気もする。朱雀の化け物、謎を解いたのに出たがりなのか、ちょいちょい出てくる。
まぁ記憶曖昧なので嘘かも!
真相は、もう、お前ぜったい幸せになれないからな!!!!!!!!! ってむかつく感じ。わたしは色恋が絡むと途端にむかついてくるんだよな。
恋愛関係で迷惑かけるやつを文章にして冷静に見るとどう考えても腹立つでしょ。
この話では犯人だけじゃなくて、もう1人恋愛沙汰でうざくしてくるやついたしな。ていうか、そっちのがうざかったしな。ばーーーーーーか!!!!!
最終話である7話目は「首の館」。
これは、1~6話を書いた人たちが、島で合宿をする というのを、もう1人の参加者が記録する話。
迷宮草子の最後に、おまけ的な感じで合宿の様子を残そうぜ! という感じだった気がする。
全員がハンドルネームで参加していて、1~6話のペンネームはまた別の名前なので、みんな誰がどの話を書いたのかわかっていない。もちろんみんな初対面。ネットでの集まりだからね。
で、まぁ当然人が死ぬ。
島だからね。隔絶された島に行ったらそれはもう人が死ぬということです。もちろん連続殺人になるということです。隔絶された島なんだから。
これも飛鳥さんが謎を解いてくれるわけなんですけどね。
なぜか終わらない怪異。ちなみにこのときには、なんかもう化け物たちが家の周りをうろついていて部屋に入ってこようとしているんですよ。物理。
飛鳥さんのおばあちゃんが察しがよすぎて御札をくれていたので、部屋の四隅に貼っていたのが、1枚ずつ剥がれてきて焦りながら謎解きをする感じだった。
飛鳥さんはあんまり焦ってなかったけど、三津田さんと読んでいるわたしは焦っていた。典型的なのに弱いもので・・・
それで最終的な結末なんだけど、これは賛否両論あると思う。
わたしは「またそれかーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーい!!!!!!!!!!!!!!!!!!」と思った。
作家シリーズ 全部それ!!!!! 全部三津田さんが悪い!!!!
でもね、さらにオチ? 的なものがありまして。
そこはなんかもう豪腕! そんなんありなんかい! と思ったけど、わたしは割りと好きよ。
上下巻あってボリュームたっぷり楽しめるし、迷宮草子がなんなのかも気になるし、怪異も怖いし とてもおもしろいのでぜひ読んでみてほしい。
おわり。
作者不詳 ミステリ作家の読む本(上)を読んだ
三津田信三さんの「作者不詳 ミステリ作家の読む本」を読みました。
上下巻あるので、まずは上のお話から。
忌館、作者不詳、百蛇堂(蛇棺葬も)は作家三部作と呼ばれていて、全部主人公が三津田信三さん。編集者であることとか、友人の名前とか同僚のこととか、ある程度は本当の話を混ぜてるんじゃないかなと思ってます。
調べてないから知らんけど!
で、作家三部作の二作目になるのがこの作者不詳です。
一作目の忌館で、怪しげな家に住んだばっかりにとんでもない目に合った三津田さん。性懲りもなく怪しい古本屋を見つけて嬉々として通います。
そこに、友人の飛鳥さんも通うように。飛鳥さんは古本屋の主人からこれまた怪しげな同人誌「迷宮草子」を紹介され、購入。
本当にお前らの好奇心少しくらい黙ってられないの?
忌館が三津田さんに起こる怪異と、三津田さんが書いた小説を交互に入れてきたように、作者不詳では飛鳥さんが手に入れた迷宮草子の内容(短編集なので1話ずつ)と三津田さん、飛鳥さんに起こる怪異が交互に書かれています。
2人にどんな怪異が起こるかというと、迷宮草子に書かれているのと関連するもの。迷宮草子は短編集で、そのどれもが少し謎を残す感じで終わっています。
2人は1作ずつ読むんだけど、1つ読むと怪異が起こる。てか普通に幽霊っぽいものに命を狙われだす。
例えば短編集一作目の「霧の館」を読んだら、他の人には見えていない霧が見えて、というか常に霧に包まれるようになって周りが見えなくなって危ないし(轢かれそうになったりする)あと化け物っぽいものが霧の奥から追ってくる。こわ~~~
それから逃れるには、迷宮草子の中では解決されていなかった「謎」を解かなきゃいけないということです。
「霧の館」では、沙霧と砂霧が出てきます。名前だけだけど東城雅哉さんも出てくる。ひゅう。
厭魅の如き憑くものとは関係ない感じだけど、それでも知ってる名前が出てくると嬉しいね。
主人公の男が山中で道に迷い、沙霧の住む館に泊めてもらったんだけど、沙霧が何者かに殺される。殺せるタイミングのあった人間なんていないのに! みたいな話です。
基本的に三津田さんはオロオロしてて、飛鳥さんが冷静に謎解きしてくれる感じ。ワトソン役は必ず必要よね。
そして飛鳥さんが霧の館の謎を解いて喜んだのも束の間、二話目の怪異に襲われます。
なぜなら飛鳥さんは霧の館を謎を解く前から二話目に進んでしまっていたから。頼むからクリアリングしてから進んでくれ。
ていうか、怪異にあいたくないなら読むのやめれば? となると思うのですが、どうやら「謎を解かないと消える」らしく、今までにこの迷宮草子に手を出して行方不明となってる人が何人もいることが判明。最後まで解ききるぞ! と決意するのでした。
殺されるとかじゃなくて、消えるってのが曖昧でまた怖いのよな。
そして二話目は「子喰鬼縁起」。タイトルからビビらせにきてんじゃん。
主人公は、奥さんも息子も亡くしてしまった男。息子が事故で死んだのをきっかけに、昔奥さんと体験した“子ども”に纏わる恐ろしい体験を思い出して書き留めるという内容です。
その恐ろしい体験っていうのは、当時妊娠中の奥さんと地元の祭り行ったら赤ん坊を連れている夫婦と仲良くなり、なぜかそのメンバーで見世物小屋に入り(そんなところに妊婦が入るな)見世物小屋の中で夫婦の子どもが消えちゃったというもの。
いったい誰が子どもを連れ去ったのか? でも男は最後になんだか知っているふうな感じを醸し出しておわる・・・って感じです。
これはさ、たぶんわかるよ。誰がなんで犯人なのかはわかると思う! わたしはわかった! やったーーーーーー!!!!
子喰鬼縁起、タイトルのわりに怖くない内容だけど、これを読んだことによって巻き込まれる怪異はけっこう怖い。
ペタッペタッと赤ん坊がハイハイして近づいて来る音が聞こえたり、泣き声が聞こえたり。最終的に三津田さんはなぜか成長したっぽい赤ん坊に追いかけられる。成長すんな。
とりあえず思ったのは、真っ暗で普段から怖い雰囲気の倉庫に、怪異にあっている最中に1人で入るな。危機管理0かよ。
これも、飛鳥さんがいくつも仮説を考えながら真相に辿りつきます。そして消える赤ん坊の泣き声。よかったね。
三話目は「娯楽としての殺人」。これはけっこうおもしろい。
主人公はきったない下宿に住む女子大生。ごみ置き場で古本を漁っていたら(漁るな)「娯楽としての殺人」という原稿を発見する。内容は「親友を殺したいぽよ。むかつくところなんて一個もないけど、親友を殺したらどんな気持ちになるのか知りたいからおいら親友殺すぽよ!」というもの。
女子大生の住む下宿には、3人の小説マニアがいて、その中の誰が書いてもおかしくない内容だったから何も思わなかったものの、後日、下宿の中で唯一女子大生が懐いていた真戸崎さんという男性が殺される。毒で。
女子大生は、そこで「娯楽としての殺人」を本当にやったやつがいると確信し、3人の小説マニアたちにそれぞれ“尋問”を開始する・・・というおはなし。
この女子大生目線で話が進むんだけど、かなり脳内ハッピーな人間なのでテンポよく読めて楽しい。迷宮草子は怖いけど、迷宮草子に書かれている小説全てが怖いわけではないらしい。子喰鬼縁起も怖い話ではなかったしな。
そして、これもたぶんわかると思う。誰が「娯楽としての殺人」の作者なのか! わたしわかった! やったーーーーーーーーーーーーー!!!!
この話を読んで起こる怪異は「親友に殺される」というもの。今まで順調に謎を解いていた飛鳥さんが怪異の何かに操られ、三津田さんを殺そうとします。
それに気付いて飛鳥さんを縛り上げ、なんとか自力で謎を解こうとする三津田さん。操られている飛鳥さんは「お前なんかに謎が解けるかばーーーーか!」みたいにずっと馬鹿にしてくるので、わたしはなんだか切なくなった。
それでも何とか三津田さんが謎を解ききり、飛鳥さんも正気に戻ってめでたしめでたし。正気の飛鳥さんに「こんなんすぐわかる」みたいに言われてやるせない気持ちにはなるけどな・・・。
上巻最後の四話目は「陰画の中の毒殺者」。
主人公の男が大学生の頃に登山していて、山小屋で会った老人に聞いた話。回想の中で別人の回想が始まる。
老人が若い頃に遭遇した殺人事件の話。1人の女とその女が好きな4人の男でお茶しながら雑談してたら、唐突に笠木という男(一番脈ありだった)が苦しみだして死んだ。
笠木が口にしたのは、女が配ったワインと机の上に置いてあった砂糖だけ。いったい誰がいつの間に毒を入れたの~~~~~!? という話です。
ちなみに老人はその話を語った後、夜が明けたら消えていたということです。
迷宮草子の中では、個人的に一番魅力を感じなかった話。
誰が毒を入れたのか!? というのは王道っぽくて良かったけど、真相は「えっそれは反則のやつじゃん?」って感じだし。
この謎を解くときに飛鳥さんの妹の明日香ちゃん(妹の名前、あすかあすかなんだ・・・)に話を聞かれ、明日香ちゃんも推理に参加してきます。
明日香ちゃんにも怪異が起こるのでは!? と2人は焦りますが、迷宮草子を読んでおらず、2人の話を聞いただけというので何とか問題ない様子。
ただ、話聞いただけでそんな細かい描写までわかる??? 本当は読んだんじゃない???? と心配になる場面もある。たぶん読んだ。
明日香ちゃんが推理するところはけっこうおもしろいので、そこが陰画の中の毒殺者のパートで唯一好きなところです。
この話はみんなでいっぱいいろんな推理を出し合って、その中のどれかが当たっていたっぽい。わたしは明日香ちゃんのやつかなぁと思ったけど、やっぱし最後に出た説なんだろうね。反則やないかい!
あとなんかよくわかんないけど怪異現象も起きなかった。なぜ。毒とか出せや。
そんな感じで上巻は終わり。
迷宮草子の短編は全部で7作。全て読んだらどうなってしまうの~~~~!? って気持ちですぐに下巻を読んでしまうよ。やったね!
忌館 ホラー作家の棲む家を読んだ
三津田信三さんのデビュー作、「忌館 ホラー作家の棲む家」を読みました。
三津田さんの小説で最初に読んだのは「七人の鬼ごっこ」。本当は「怪談のテープ」がほしかったんだけど売ってなくて、代わりにタイトルの怖さがピカイチだった「七人の鬼ごっこ」を買いました。それ以来、三津田さんサイコーかよ~~~! となって何作か読んでいるけど、最初に読みたかった「怪談のテープ」は未だに読めていない。
忌館は、けっこうメタな話だった。
主人公は「三津田信三」で、出版社で編集をやっていて自身でも執筆活動をしているってのはたぶん現実の三津田さんもしていたことだし。
友人の名前も、そのまま使ってるのかな?と思った。そこは知らんけど。
ストーリーとしては、三津田さんが引越した洋館でとんでもないことに巻き込まれる。
三津田さん視点の話と、三津田さんが書いている小説が交互になっているんだけど、この三津田さんが書いている小説ってのが怖すぎるんだよ。同じ洋館を舞台に小説を書いているんだけど、そこに引越してきた男の子が主人公。
霊感のある男の子は、洋館に引越してきたときから「ゾッ」とする嫌なものを感じていた。この話が、だんだん作者であるはずの三津田さんの手を離れて暴走していくんだよね。自分で書いているはずなのに、こんなの書いた覚えない!!!みたいな。
で、実際に住んでいる洋館についてもいろいろ調べるんだけど、どうやら過去に一家惨殺事件が何度か起きているらしい。
そんなところに住むな。
三津田さんが書いている小説のほうも、どんどん怖くなっていく。
引越してきた家族に気に入られて男の子の家庭教師になった男がいるんだけど、そいつがどんどんイってきちゃう。それに男の子しか気付いてない。
そしてとうとう家族惨殺されるという・・・めたんこ怖い!めたんこ怖い!
男の子が必死に逃げるシーンがあるんだけど、そこが一番すき~怖いので。
それで、実際に三津田さんもどんどん体調悪くなるし怪奇現象が起きるしでいろいろと大変なことに。一体どうなっちゃうの~!?って感じです。ぜひ読んでね。
この家がある場所、小説の中では「中央線にある武蔵名護池」って書かれているんだけど、「MUSASHI NAGOIKE」「MUSASHI KOGANEI」アナグラムで「武蔵小金井」なんだよね。
わたしがいま住んでいるところの近所なので、ぜったいに見に行きたい。
三津田さんが「暗闇坂」って勝手に名前をつけた真っっっ暗な通り、ぜったいに通って「怖い~~~~~~~~~~~~~~~!!!!」ってやりたい。
三津田さんが主人公になってるのは「小説家シリーズ」と呼ばれていて、忌館のあとに「作者不詳 ミステリ作家の読む本(上)(下)」と、「蛇棺葬」、「百蛇堂 怪談作家の語る話」と続くんだよね。
わたしはいま「百蛇堂」を読んでる。これもどんどん怖くなる~~~
個人的には「作者不詳」がちょう良かったので、こんど感想書きます。
おわり
ししりばの家を読んだ
澤村伊智さんのししりばの家を読みました。
デビュー作の「ぼぎわんが、来る」から「ずうのめ人形」、「恐怖小説キリカ」と全部楽しく読んでいたので待望の4作目でした。
恐怖小説キリカだけは人間が怖い系のお話なので、ホラーシリーズとしては3作目。ぼぎわんとずうのめを読んだ方はわかると思いますが、今回はお姉ちゃんが出てきます!もちろんちょう大事な役です!
「ししりば」が住みついている家で起きる怖い話。過去編の小学生たちが忍び込んじゃうところは、純粋にホラーでとても楽しい。
途中までは本当にただただホラーという感じで怖くて最高でした。
何も悪いことしてないのに、家に入ったらアウトという理不尽な感じが好き!
わたしは、ホラーの理不尽なところが大好きなんですよね。
「呪われた人の携帯の連絡帳の中からランダムで次の呪いの対象が決まる」とか、「宿泊先のロッジにあったビデオ見たら呪われた」とかさ。
いつ自分にも降りかかってくるかわからない恐怖が最高だと思うんです。
ししりばは、だんだんと怖くなくなっていくのでホラーが苦手な人にもおすすめ。
ずうのめもそうだったけど、謎解き要素があるというか、だんだん真相というか「ししりば」についてわかっていくのでそれも楽しめる。その代わり怖さはなくなる。
ただ、怖くなくなっても緊張感がなくなるわけではなく、ししりばに操られた住人に、視点主の女の人が殺されてしまうんじゃないかとハラハラします。
最後は、「犬かーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー・・・」となりました。
ししりばの最大の敵が犬で、主人公の飼っている犬に助けてもらい、ししりばがビビっている隙に封印するという流れ。銀、頭よすぎない? 大丈夫?
犬が天敵っていうのも、ちゃんと読んでいたら伏線あるし筋も通っていて良かったです。
ただ、個人的にはエンタメ感がどんどん強くなっていって、そこもおもしろいのだけど・・・ウー・・・
もう少しホラーが全面に出ているほうが好きかなぁと思いました。
デビュー作の「ぼぎわんが、来る」も最終的には霊媒師のバトルになるんだけど、本当に最終的にはって感じだったし、とにかくぼぎわんが怖かったので気にならなかったんだよね。
ずうのめからエンタメ感が増してきたのかな~~~でもずうのめも、どんどん迫ってくるところが古典ホラーっぽくて怖かったし、ししりばも家に得体の知れない何かがいるという不気味さが怖かったし・・・
最初のうちは怖さを楽しんで、だんだんとエンタメ要素を楽しむように読んだら良いのかもしれません。ホラーと笑いって紙一重だしな!
なんやかんや、好きな話だと思いましたし、澤村さんが今後また本を出したら買います。次のお話はどんなのかな~~~楽しみ!
おわり。
盲目的な恋と友情を読んだ
辻村深月さんの盲目的な恋と友情を読みました。
もともと辻村さんは好きだったのだけど、久しぶりに読んだ気がする。
ただ、これは恋愛(と友情)がテーマなのでつらかった。
なぜなら恋愛小説が本当に苦手だから・・・。性格悪いやつとか、すれ違いとか、ライバルとか、イライラすることばかりなんだもんね。
盲目的な恋と友情も、やっぱりそういった部分は多かった。
話の流れとしては、主人公の蘭花(超絶美人)が茂美(イケメン)と付き合う。茂美、実は20歳以上年上の人妻とずっと不倫してる。蘭花泣く。でも不倫続く。不倫ばれる。茂美、職を失くす。茂美死ぬ。蘭花、立ち直った後に結婚する。という感じです。
登場人物はみんなメンヘラ。みーんなメンヘラ!
美波というギャル(光属性)以外、みんなメンがヘラってます。
蘭花視点のときはひたすらナナコババアというおキチがむかついたし、茂美は死ぬってわかってなかったら途中で本破くくらいクソな男だった。ただ、最後はルリエール最高!ナイス!と思ったよ。
でも、さすが辻村さんというか
単純にルリエールがすこしやばくて、でもナイスなことしたって話にはならないんだよな。
るりえ視点になって、だんだんるりえのヤバさがわかってくる。
るりえ~~~そういう考えは中学生で卒業して~~~と何度思ったか。
そして美波が好きになる。美波あんまり悪くない。るりえの逆恨み。
あと結果的にるりえ戦犯だったしな。
最後結婚式めちゃくちゃにしたのは良くない。まあ蘭花が犯罪犯してるのがそもそもダメなんだけどさ・・・一度黙ってるって決めたなら最後まで黙ってろよと思った。
ここらへんで、るりえのメンヘラ具合が炸裂してましたね。メンヘラっていうか、中学生の女の子思考。イライラしたわ~~~。いっちばん最後にイライラしたわ~。
まあ全ての元凶がナナコババアだってことは忘れちゃいけない。
るりえ視点になってナナコババアの影が薄れるけど(そう考えるとるりえはナナコのこと全然問題視してなかったってこと。それはそれでやばい)ナナコババアが茂美のクソを唆さなければ、蘭花がトチ狂うこともなかったんだよな。
ナナコが不倫ばれた後どうなったのか全く書いてないけど、できるだけ苦しんで死んでることを祈る。
ナナコババアが茂美を「支配」したがっていたという描写があるけど、そういう観点でいえば蘭花のママは割りと完璧に蘭花を支配していたよね。乙田くんの件に関しても、ママが「かっこいいね。ママ、すき」って言わなければ結婚しなかったんじゃないかな。
最後まで読んで、蘭花とるりえの話というよりは、るりえと美波の話だと思った。後半がるりえ視点だったからなんだろうけど。あと美波に好印象を持つのも、美波視点がなかったからなんだろうな。るりえは完璧に、どんどん嫌なやつになっていったもんな。
そしてやっぱりこういう話は苦手だった。精神の安定のためにも、恋愛小説とはなるべく距離をとって生きていこうと思いました。
でも装丁はすげえ可愛いのでぜひ見て。