ドリームの日記

社会の荒波に負けた。

芹沢央さん『悪いものが、来ませんように』読みました

本屋で時間潰さなきゃいけなくてウロウロしてるときに見つけたんですけど、タイトルがもうオシャレじゃないですか? 『悪いものが、来ませんように』。絶対来るじゃん、悪いもの。来ませんようにっつったらもう来るじゃん。なぜなら小説だから。

ということで、あんまりあらすじとか読まないで完璧タイトル買いをしました。

 

あのー、ネタバレとか普通にしますけど、どんでん返し、どんでん返しがあるって明記されてるんですよこの本。ちゃぶ台ひっくり返されますよ~~~って宣告されたうえで席についてるんですこっちは。知ってんだから、ひっくり返されるの。ちょっとやそっとのタイミングじゃビビんないですよねそりゃ。いつひっくり返されても良いように体勢整えてんだから。

 

こりゃすごいの来るぞ~~~~めっちゃ体勢整えてんのに、すげえ隙ついてひっくり返してくるぞ~~~と思ってたら、ただただ普通にひっくり返すから「え、まじで?」っつって普通に対応できちゃったわ。飛んでく湯のみ普通にキャッチできたわ。なんでだよ。どんでん返しって言ってたじゃん。どんでんって何だよ。いやみんな気付いてただろ!!!!! どれだ? どこが「どんでん」だったんだよ!

 

いやおもしろかったよ。「どんでん返しします」さえなけりゃすげえおもしろかった! で終わってたよ。わたしはまずあの構成が好きなんだよ。

主人公たちの事件が起きて、どうしていくのかってのを軸に、事件終わった後の周りの人たちの証言を挟むやつ。証言ではもう完璧に人を殺してるし捕まってもいるけど、どうしてそうなったの~~~!?!?!?!? 早く知りたい知りたい!!! ってなる構成大好きなのよ。

 

だから本当に、いやどんでん返しって何・・・・・・・・

あの、なっちゃんがお母さんってところはさ、あの~~~「ほお!!!」と思いましたよ。でもさ、あれタイミング的にも「どんでん返し」じゃないでしょ? スルーーーーっつって「私の娘」って言ってたじゃん。デパートの婦人服売り場で紗絵が待ってたところで、あーーーこれ親子かって気付いてさ、その数行後に「私の娘」っつって。別に普通のタイミングだったよ。びっくりしたけど、「どんでん」ではない。あとそんなに終盤じゃないし。たぶん別のところが「どんでん」だったんだよ。

 

ちょっと説明すると、話の軸になってる「奈津子(なっちゃん)」と「紗絵」は30歳くらいの同級生のめちゃくちゃ仲良しの友だち同士かと思ってたら、実は奈津子(母)と紗絵(娘)だったっていう叙述トリックのやつだったんですよね。

 

最後のほうで何かあったとすれば、実はなっちゃんが殺してなかったーーーー!!! みたいなのだけど、どんでんはあれだったんか? でもみんな何となくわかってたじゃん。わたしがちゃんと読めてないのか? まだどんでん返しを体験できてないのか? わかんねーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!

 

でも本当に「どんでん返しありますよ」さえなければ普通におもしろかったんですよ。鞠絵すき。なっちゃんがまだ母親だとわかってないときに、鞠絵なっちゃんに対する証言でてきて、(えっ鞠絵なっちゃんのことそんな好きだったの? な、泣ける!!!)と思ったら親だったんかーーーーいのところがすげえ良かったです。ねーっ!

悪いものが、来ませんように (角川文庫)

悪いものが、来ませんように (角川文庫)